あなたの会社のリスクって?
投稿日時:2012/10/17人・技術・金・情報・ライバル・環境変化などリスクにも色んな種類がありますが、最近、ある広告会社の社長に聞いた「二社のリスク」の話がとても面白く考えさせられたので、忘れないうちにここでシェアします。
聞かせてくれたのは広告会社Y社の社長。Y社は、互いにライバル関係にある有名な移動体通信(ケータイ)の二社、A社・B社と広告物の取引があります。ところが、この二社の間で「リスク」の定義がずいぶん違うというのです。
ぜひ、考えながら読んでみて下さい。
あなたの会社は以下のA社・B社どちらに近いでしょうか?
前提条件として、
移動体通信の業界は「毎日がXデー」と言われるそうです。いつ、どのメーカーから新機種が発表されるか分からないため、常にルーズスタンバイ状態なのだというのです。
そんな状況下でXデーが来ます。そして両社の対応が分かれます。まずA社ではXデーからチラシ企画がスタートし、配布までに数日かかります。広告主であるA社の担当者は、ロゴは所定の場所に表示されているか?色校正はバッチリか?などチラシの隅々まで確認して完璧な広告にこだわります。A社の担当者にとってリスク=完成度の低い広告を打つことです。
一方でもう片方のB社はXデーが来ると即時チラシを刷り上げ、翌日には配布できる体制を取るそうです。その際、現場担当者は50万円くらいの決裁権を持ち、出来るだけ即決する。印刷物の色やロゴマークは深く追求しない。それより「新機種発売」という最重要メッセージが伝わればよいと判断する。B社の担当者にとってリスク=新機種発表の翌日に広告を打てない「チャンスロス」なのです。
完成度を求めるA社とスピードを求めるB社。この二社のスタンスの違いがそのまま両社の現在の業績の違いに現れていると、Y社の社長は説明してくれました。
ご想像の通り、A社B社は私たちがよく知る大手企業です。しかし、これはA社B社や移動体通信業界だけのことではなく、僕やあなたの会社にもズバリ当てはまることです。他人事でなく我が事として当事者意識を持つことが重要だと思うのです。
あなたの会社は、どちらのリスクをより恐れますか?
(高橋康徳/株式会社カウテレビジョン)