ビジネスマンの業績と性格の関係性
投稿日時:2010/01/27宋文洲さんから毎週金曜日に届くメルマガを楽しみにしている。
■宋文洲さんと宋メールとは?
宋さんは、ソフトブレーンの創業者で、一代で同社を東証一部上場企業にまで育て上げた人物。現在は一線を退かれて経済評論家という立場でテレビで拝見する機会も多い方だ。その宋さんとは、ソフトブレーンの会長時代に御縁あって「社長室101」に出演いただいた。それをきっかけに、「宋メール」と呼ばれるメールマガジンを毎週欠かさず読ませていただいている。
その宋メールの先週分にあった言葉が印象的だったのでご紹介します。
日本では「商売上手」は必ずしも良いイメージの言葉ではありません。この言葉の裏に「したたか」、「薄情」など暗示が見え隠れします。しかし、長い間経営者と付き合ってきた私ですが、商売上手な人達は殆ど「良い人」であるという確信を持っています。(宋メールより)
宋さんはこの後で「商売上手な人=良い人」だと思う理由を2つ述べている。1つが面倒見がよいこと。2つ目が無意識のうちに周囲のためになる投資をしていることだと言う。つまり、商売上手な人は一時的な損を心配するより将来的な価値を見出す発想に長けているというのです。
ケチな人ほど自分のケチに気付かないものです。この損したくない発想、損をしない習慣は結果的に他人の心情に対する想像力を削ぎ落とし、顧客志向を損ない、利益を投げ出しているのです。
成功しないベンチャー経営者のビジネス・モデルをみると驚くほどの共通点があります。自分が少しでも損しない、少しでもリスクをとらない、できるだけ相手の褌で相撲を取りたい「意志」が丸見えです。(宋メールより)
宋さんの言葉は毎回核心を突くもので、僕の胸にズシンと響きます。
・自分は損を恐れていないか?
・まず役立つのが先!という感覚を忘れてないか?
こう自問すると、損を恐れる気持ちは確かにあるのを感じます。まだ青い。が、一時の損は、あたかも自己防衛本能に逆らうように見えるが、視点を変えて長期的に見るとむしろ自己防衛本能に合致するような気もする。言い古された言葉だが「まず役立つのが先」なのだ。
宋さんに限らず、僕らは多くの大先輩から毎日のように人生の教訓を学べる環境にいる。ただし、玉石混交の膨大な情報の中に、その環境はある。溢れる情報の中から自分にとっての「玉」を選り分け、実践し、モノにしていくには、上質な言葉や芸術に触れることが大切だと思う。地上最強の商人に「私は数千年にわたって進化してきた最終生物である」とあるように、奢らず謙虚に学ばせていただこう。
(高橋康徳/株式会社カウテレビジョン)